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いろんなパイが出てくるよ [映画やドラマ (アメリカのやつ)]


ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた (初回生産分限定“幸せなパイのレシピブック”付)

ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた (初回生産分限定“幸せなパイのレシピブック”付)

2007年アメリカ/監督:エイドリアン・シェリー
  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

天才的なパイ作りの腕をもつジェンナ(ケリー・ラッセル)は片田舎のカフェで働くウェイトレス。ダメ亭主との結婚生活のおかげで、人生に絶望しかけていた。暴力亭主から逃げて人生をやり直すために何とかお金を貯めようとするが、タイミングの悪いことに妊娠が発覚!しぶしぶ向かった病院で出会った産婦人科医(ネイサン・フィリオン)と急速に惹かれ合うが…というお話。

連続放火魔のようなツラ構えをしている自分にも、かわいらしい(?)副題のついた映画を観る権利はあります。日本国憲法ばんざい。

これはなかなか面白かったです。
例によって日本の配給会社が勝手につけた副題やDVDジャケだけ見ると、何だか甘ーいラブロマンスものかと思いそうだけど、実際は疲れたウェイトレスが望まない妊娠を機にどん底から這い上がるホロ苦ストーリー。甘さ控えめで、なんといっても観終わった後が爽やかで良いやね。

話はこじんまりとしている。だけどその分主人公ジェンナの心情を繊細に追っているし、全体的にどことなくコミカルなのもグー。そして、脇役のキャラ設定がいちいち素敵な感じだ。ジェンナの同僚ウェイトレスには、頼れるアバズレ(?)と自分に自信のない内気な子。嫌味しか言わないけどなぜか憎めないカフェの常連おじいちゃん、などなど。彼らの存在が調度いいスパイスになって、切ない話一辺倒ではなくなっているのです(でも、おじいちゃんの手紙にホロリ)。
「映画は脇役で決まる」…いま勝手に作った格言だけど、意外と大事なポイントではなかろうか。はい、知ったかぶりー。

ところで、知っている人も多いかもしれませんが、監督のエイドリアン・シェリーという女性はこの作品を撮った後、ご近所トラブルに巻き込まれ40歳という若さで亡くなったそうです。これがアメリカで公開されているとき、テレビ東京の『SHOWBIZ COUNTDOWN』で知りました。
でも、本編を観終わって映像特典をチェックするまで気づかなかったことがひとつ。同僚の内気なウェイトレス役も彼女が演じていたのね…。

絵画、音楽、そして映画など、ある芸術作品を評価するときに、その作者の個人的背景まで加味するべきかということがよく議論されます。たとえば、「△△という絵は、彼・彼女の○○という時代において□□という事情から生み出された作品だ。だからとても価値がある/ないのだ」という意見がある一方、「△△という絵は、誰が描いたにせよ、その作品自体■■という観点から見て評価するべきだ。誰がどんな事情で描いたかは関係ない。その作品そのものに価値があるかないかだ!」という考えもあったり。つまり、予備知識は必要なのか否か。

現実的にはどちらかの考えだけで作品を評価するということはほとんどなくて、適宜ミックスしながら鑑賞しているのでしょう。これ以上のことは僕の脳味噌(容量控えめ)では処理しきれません。はい、逃げたー。

で、この映画は若くして亡くなった監督の遺作です。確かにそういった目で観ると、なんだか実際以上にとても切なく思えてくる。俳優としても出演してるしね。ただ、遺作であろうとなんであろうと、この映画の面白さは変わらない、しっかりしたものを持ってるとも思う。こういうこと書いてる自分が言うのもアレですが、「遺作」という点をクローズアップするのもどうなのかと思うんです。

モヤモヤしてまとまらなくなってきた。結局は、もしこの映画を観る機会があったら、あまり深いこと考えないで楽しんでくださいってことかしら。こんな記事読んじゃったら無理だっつーのな!
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