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ふてきせつなひょうげんがふくまれております [映画やドラマ (アメリカ以外のやつ)]


殺人狂時代 [DVD]

殺人狂時代 [DVD]

1967年日本/監督:岡本喜八
  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD
大学で犯罪心理学を教える桔梗(仲代達矢)は、ある日「大日本人口調節審議会」という不可解な組織から唐突に命を狙われ始める。次々と送られてくる刺客から、あの手この手でなんとか逃げ延びる桔梗だったが、ひょんなことから知り合った雑誌記者の啓子(団令子)が組織にさらわれてしまう。彼はやむなく組織へ対決を挑むも、そこには意外な真実が…というお話。

かの『用心棒』でだったか民放のテレビドラマでだったか忘れてしまったけど、初めて仲代達矢を見たときの「このギョロ目男の存在感…何なんだ!?」という驚きは新鮮でした。それからは、自分の中で黒澤映画といえば三船ではなく仲代先生。『用心棒』での仲代先生はちょうカッコいいし、黒澤作品じゃないけど、『切腹』っていう時代劇や『他人の顔』(ともに達矢が主演)もすごく面白いスよ。それと、インタビューでうかがえる彼の真摯な性格も好きだ。少し前に教育テレビで30分×4回の仲代特集がやってて、すごく面白かった。

その番組の中でも彼が話してたことなんですけど、まだほんの駆け出しの頃、あの『七人の侍』で画面にチラッと映る程度のエキストラとして仕事を得たものの、セリフもなくただ歩いて通り過ぎるその数秒間のシーンのために6時間(!)も黒澤監督からダメ出し&やり直しをさせられたそうです。「侍はそんな歩き方じゃねえだろ。なに考えてんだ!」って。で、若き仲代先生はそれでカチンときて、「絶対に有名になってやって、黒澤監督から出演依頼がきたら断ってやるんだ。あなたの映画には出ません、って」と心に決めたそうです。実際、その何年か後に『用心棒』で準主役級の依頼が来たときに、いったんは断ったそうな。なんかこういう変に頑固なところも好き。
そんなわけで、ビデオ屋でたまたま見つけたこの映画を借りてみました。だーかーらー、感想までの前置き長いって。

岡本喜八監督というと、岡本監督好きな友だちから半ば強制的に貸し出しを受けた『ジャズ大名』だけ観たことがあるんだけど、それ以上にこの『殺人狂時代』はパンキッシュでした。ブラックユーモアあふれる作品で、お話としては意外などんでん返しがあるものの、それほど破綻してないと思う。でも、ところどころが少しずつおかしいんだよね。それは登場人物たちが「キチガイキチガイ」と連発するっていうような些末的な面においてではなくて(でも聞いててちょっとドキドキした)、そこはかとなく漂う雰囲気が。
ぜんぜん説明できてなくてごめんなさい。まあ、いわゆるカルト作品っつうのが好きな人たちなら楽しめるのかもしれないです。

あ、そうそう。仲代達矢(しつこいッ!)のコミカルな演技ってほとんど観たことなかったんだけど、この映画ではたっぷりそれが楽しめて、そこはカルト好きではない自分でも面白かったです。

英世と達矢.jpg変態組織のボス役・天本英世の怪演が炸裂。後ろでぼんやりしてるのがタツヤ。
令子.jpg令子かわいいよ令子。
申し遅れましたが、この映画は白黒です。

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