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去年のナンバーワン [映画やドラマ (アメリカ以外のやつ)]


BIUTIFUL ビューティフル [DVD]

BIUTIFUL ビューティフル [DVD]

2010年メキシコ、スペイン/監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD
バルセロナの片隅で裏仕事をこなしながら、狭いアパートで2人の子供を育てるウスバル(ハビエル・バルデム)。体調不良がきっかけで病院へ行くと、末期の癌により余命2ヵ月と診断される。あまりに突然で残酷な告知に、残された時間を愛する家族のために生きようとウスバルは懸命にもがくが…というお話。

RIMG4485.JPGえいが博士とともに、なんと去年の7月頃(!!)に鑑賞した映画。いくらなんでも感想を書くのが遅すぎですけど、去年観た中でいちばん面白かったやつだし、人生ベスト10に入りました。そして今年の2月、ユナイテッド・シネマとしまえんにて「2011年 心に残った映画アンコール上映」と題して上映されていたから、そっちも観に行った。そんぐらい感銘を受けた映画です。万人には勧められない。でも個人的に激名作。死ぬまでに何回も観たい。

「その素晴らしい1シーンだけあれば、その映画はそれで良い」っていう作品がオレの中でいくつかあって、例えば『マイアミ・ブルース』(1990年アメリカ)。アレック・ボールドウィン演じるろくでもないチンピラの愛情を確かめようと、恋人役ジェニファー・ジェイソン・リーがわざと不味いパイを作るんだけど、ボールドウィンはそのパイを「美味い美味い」って言いながら無理やり食べる。それを見てジェニファー・ジェイソン・リーが何も言わず泣き出すっていうくだり。この名シーンがあるおかげで、その他の部分がどんだけグダグダであろうとも、オレの中では『マイアミ・ブルース』が(個人的)名作として今なお輝き続けています。

んで、この『ビューティフル』にもそういう素晴らしい場面がありました。お話の中盤、家族みんなでアイスクリームを食べるシーン。ちょうキラキラしてんの。きったねえアパートの中で、きったねえテーブルに4人が座って、やっすそうなアイスを手づかみで(!)食べてんの。貧乏臭さがプンプン。そのくせ、家族の幸せそうなことといったら!! もう、このシーンだけでも100点あげたい。

RIMG5106.JPGただ、この映画はそれだけではなかったです。それ以上のシーンがあった。
上記のヘタクソまとめには盛り込んでいないんですけど、主人公ウスバルは、ある特殊な能力をもっている。それは「死者と会話ができる」こと。えーッ!? っていう感じでしょ? オレも、そういう霊的な、あるいはスピリチュアル的な話をハナから馬鹿にするタイプの人種で、たとえば「パワースポット」とかいう単語を見ると無条件に歪んだ笑いがこみ上げてきちゃう。もちろん、映画でならどんな非現実的なことを描いても自由だし、それこそが面白いんだとも思うけど、やっぱりどこか「アホらし~」と感じる自分がいる。

でもね、この映画でのそれは、そういうヒネクレ者をも感動させる効果をもっていたんよ。具体的には、ウスバルが物語の冒頭と最後にある人と「会話」するシーン。会話っつうか、ウスバルは相手が話すのをほぼ一方的に聞いているだけなんけど、もしも自分が二度と生きて会えないと分かっている人とお話が出来たならどんなにか幸せだろう、あの人の声を知らなかったけれど本当はこんな声、話し方をするんだと分かったならどんなにか嬉しいだろうなんて自分の想いと重ねあわせてしまって、ひとりウルウルしてしまった。キモーーい。

劇中、ウスバルはその相手の話を、ひげボーボーの薄汚いおっさんでありながらも少年のように少しハニカミながら聞いていた。その気持ち分かる。スピリチュアル大嫌いだけど分かるヨ!
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