おしゃれ女子でえらく賑わう中、『メアリー・ブレア展』(現在は終了)を観てきました。ディズニー社でイラストレーターとして活躍したメアリー・ブレアという女性の作品を集めた展覧会です。場所は東京・木場の東京都現代美術館にて。



行く前は、ディズニーディズニーしていて、はいはい可愛い可愛い良かったねー的な中身を想像していたものの、実際はちょっと違っていました。確かにそういう展示もしっかりとあったんですけど、それよりももっと幅の広い、メアリー・ブレアという女性が生涯どのような関心をもって、またモチーフがどのような変遷をたどったのかがよく分かる、ボリューム満点の催しでした。

それと、メアリーさんの旦那さんやその兄弟もまたイラストレーターだったようで、彼らの作品も少なからず見ることが出来ました。旦那さん、ちょう上手ぇー。



おおざっぱに言うと、ディズニーに入社する前、あるいは入社したての頃の画風が好みです。水彩でサラリと描かれた風景画や人物画が良い。後期(っていうの?)も確かにすごいんだけど、まさにプロフェッショナルな香りがプンプンで、隙が無い感じ。ただ、右の写真(「レモネード・ガール」(さ、撮影可の場所で撮ったんだからね!))でも分かるように、現代でもガンガン通じるような作品を数十年前に描いていたっていうのはすごいス。


晩年はアルコールに溺れてしまったという説明がありました。そのころの作品は、やはり少しずつ寂しげな影を帯びていった…というのはこちらの思い込みかな、きっと。


大人気のメアブレを観終わって、同じく東京都現代美術館の常設展(『MOT 夏の遊び場 ―しりとり、ままごと、なぞなぞ、ぶらんこ』)もチェックしてきました。こっちはガラガラ…。まあ、閉館時間が迫っていたというのもあったのだろうけどもね。




この数ヶ月前、テレ東系『美の巨人たち』(またか! お前はまたそれか!)で、ロイ・リキテンスタインの『ヘアリボンの少女』を特集した回をやっていて、それがこの美術館所蔵なものだから、実物を観ることができると楽しみにしていたのです。どちらかというと企画展よりもこっちに期待していたぐらいで。10年ぐらい前に来たときにも観たような気がするけど、やっぱ"美の巨人たち効果"ですげえ作品に思えるんじゃないかと。

ええ、権威に弱い小市民です。「自分の目」を持たぬ愚か者です。ヒャッホーイ。



と・こ・ろ・が!

天井からぶら下がる巨大なコンドーム状の何かや、なんのヘンテツもない木箱に見えるけど耳を近づけると中から「カチカチ」という時計の音が聞こえる何かをかいくぐって探せども探せども、リキテンスタインが見当たらない。オレのリキは一体いずこへ…。

だんだん不安になり、学芸員のお姉さんに「あのー、リキは何階に…?」と尋ねると、「今回、リキテンスタインは展示していないんですよ。本当に申し訳ありません」とのお返事。m9(^Д^)プギャー


ただ、負け惜しみではないけれど(ほ、ほんとだよ!)、昔なぜか気になっていた森村泰昌や、そのインパクトのあまり美術の教科書でガン見した記憶のある上田薫の作品を初めて見られたのは嬉しかったです。両方とも想像よりずっと大きくてびっくり。


…初めて観ることができた念願の作品を前にして、感想が「大きくてびっくり」ですか。とりあえず文章教室の入会チラシもらってこい。ダッシュで。



東京都現代美術館