ワカモト・ブレイク

プリズン・ブレイク　ファイナル・シーズン　DVDコレクターズBOX1 ＜初回生産限定版＞

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• メディア: DVD

(シーズン１にて)フォックスリバー刑務所を脱獄したマイケル(ウェントワース・ミラー)たちだったが、その行く手にはどえらい困難が待ち構えていた。そしていま、驚愕の真実が明かされる! …というお話。

ようやっと『プリズン・ブレイク』を最終回まで観終わりました。そのほとんどを日テレの深夜に、つまり週に１話というペースだったものだから長かったー。足掛け何年よ? 以下、全シーズンに渡ってのネタバレを含みます。よって、まだズンブレを最後まで観てない人は読んじゃダメ。エピローグ的なオマケ２話『ファイナル・ブレイク』まで含むすべてを観終わった人を対象に、感想書いてます。なんか大げさですいません。

まず、この『ファイナル・シーズン』について。 率直に言って、けっこうつまらなかったです。最初のシーズンの頃はけっこうあったような気がする緊張感がもうまるで無くて、すべてがグダグダに思えました。そして、何かっつうと「組織が…!」「巨大な悪によって…!」「なんとあの人が…!」とか、リアリティを台無しにしてしまう、ずさん過ぎるご都合主義がやたら目につく。組織ってなんやねん。 あと、舞台がフロリダかどっか、すっごく快適そうな開放的な場所なのね。そのせいで、よりいっそう緊迫感が無くなってしまっているような…。もう、刑務所とかまったく関係ないからね。 ただ、これは人気シリーズの宿命というやつかもしれないとも思った。つまり、このズンブレとか８シーズンで終了が決まった『24』とか、展開の意外性こそがいちばんのウリになっているようなドラマは、次から次へと視聴者を驚かせなくてはならぬ。だからこそ、話が進むにつれ、前を上回るような「驚き」を繰り出さんがため、ある種の強引さが展開に生じてしまうのも無理からぬことかもしれぬ。嗚呼、悲しい哉。なぜ文語調? 結局のところ、全部で４シーズンあったところ、最初の２シーズンぐらいで充分だったんじゃないかなと思いました。

こんなに文句タラタラなのに、じゃあなんだってテメエは最後まで観たのかって? それは、腐っても鯛っつうか、やっぱりそこらへんに溢れてる凡百アメドラよりは確実にしっかりしていて最低限の面白さはあるっつうのが一つ。そして、いったん最初を観始めちゃったから、なんとなく惰性でっていうのが、も一つ。そしてそして、これが最大の理由で、全シリーズを通じてロバート・ネッパー演じるセオドア・バッグウェル(通称Tバッグ)というド変態が出てくるのですが、この登場人物のキャラクター造形とその吹き替えが大好きだっていうこと。最後まで観れたのは、たぶん８割方Tバッグのおかげ。 最初のシーズンのほうでは、とにかくティーバッグの変態っぷりや残忍性しか描かれていなかったけど、途中からちょっとずつ人間性というか内面が掘り下げられてくる。家族愛だとか良心だとかと、いままでの自分との狭間で葛藤する様は陳腐といえば陳腐ではあるものの、けっこう好き。そこでロバート・ネッパーの演技は光っておりました。それに、やっぱ最後の最後、『ファイナル・ブレイク』でぶち込まれるのはやっぱりなという印象で、ある意味ぴったり。やっぱりこの人にはハッピー・エンドは似合わないよ。 それから、Tバッグを担当した若本規夫さん(たとえば他に『サザエさん』のアナゴさんなど)の吹き替えね。お話の展開に興味がなくなった頃から、それと反比例するようにTバッグの吹き替えに注目するようになっていって、もうロバート・ネッパーの顔、キャラクターにハマり過ぎっつうか…。すんごい大げさだし、正直なにを言ってるのかよく分からないときもあるんだけど、あの吹き替えでしゃべられると、どんなセリフでもなぜかカッコよく聞こえる。アナゴさんなのに…。 たとえばこんなセリフ。吹き替えで観ていた人は、もちろんあの声に脳内変換して読んでください。 「人間どぉーうあがいても、性(さが)ってやつには逆らえねぇぃ。誰もが己というぅ刑務所のぉ、囚人なのよ」(ファイナルシーズン第12話より) くぅぅぅー、カッチョええ!! あるいはこんなセリフも。 (裏切った相手から「地獄に落ちろ」と罵られて)「オレを先にぃ地獄に送ったらぁ～、地獄という名の牢獄もオレのもんになるぜぇ～」(『ファイナル・ブレイク』より) ぐはぁぁぁー、たまんねぇ!! …あれ、なんか皆さん引いてらっしゃる? くっくっく、そんなこたぁよぉぅぅ～、このブログにぁ関係ねぇんだよぉ～、かわいこちゃぁぁ～ん。