『ツリー・オブ・ライフ』
2011年アメリカ/監督:テレンス・マリック
実業家として成功し、物質的には満たされた生活を送るジャック(ショーン・ペン)。しかし、心にはどこかすきま風が吹いていた。そんな彼が思い出すのは、豊かな自然の中、兄弟とともに育った自らの幼少時代(ハンター・マクラケン)。そして、暴君とさえ言えるほどに厳格だった父親(ブラッド・ピット)と、無条件の愛を注いでくれた母親(ジェシカ・チャスティン)の姿だった…というお話。

映画を観る何日か前、確かファッション紙の『joker』をコンビニで立ち読みしたら、この映画のレビューが載っていました(情報泥棒、イクナイ!)。それを読んで、「アメリカで公開された時には、どんな内容であってもお代は返しません的な掲示がわざわざなされた」とか、「CMを見て、ブラピ一家の感動ストーリーみたいなのを期待すると痛い目にあう」っていう予備知識をこっそり仕入れていました。

そのおかげでオレは大怪我をせずに済んだのですが、本作の観賞時、映画館で周りのお客さんから発せられる当惑した空気ったらなかった。アレがのしのし歩き回る中盤あたりをピークに、「なんなのこの映画ー、もう意味分からないんですけどー」と鬱積したガスが暴発寸前。そういう映画にあんまり当たったことがないから、その空気が逆に楽しかった。まあそれは置いといて、後半のすごく濃厚な家族の描写とか、ブラピが挫折するらへんとかはすごく好きな感じだな。真ん中のアレを抜いて、普通の120分ぐらいの映画にしてくれれば。

あとね、映画の最初らへんで映されるブラピ一家が住む家がすごーーく素敵だった! インテリア用語で言うところの、いわゆる「ミッドセンチュリー」ど真ん中の内装で、外観も落ち着いた色をした平屋建て。自分の好み過ぎる。ちょう興奮した。やっぱ平屋いいよなー、平屋。この映画の一番の見所は間違いなくここです。

あ、オレはいちおうショーン・ペンのファンなんですけど、この映画でのペンはただぼんやりした顔してフラフラ歩いているだけなので、別にペン先生じゃなくても良かったかなと思った。