88(エイティーエイト)ミニッツ

2007年アメリカ/監督:ジョン・アヴネット
  • 出版社/メーカー: Nikkatsu =dvd=
  • メディア: DVD
大学で教鞭をとる精神科医のジャック・グラム(アル・パチーノ)。かつて彼はある猟奇殺人事件で精神鑑定を担当し、その証言が決め手となり、被告人(ニール・マクドノー)は死刑を宣告される。数年後、その男の刑がまさに執行される当日、まったく同じ手口の殺人事件が起きる。しかも、その被害者はジャックと親しい女性だった。死刑囚が無実を訴える中、ジャックに「お前の命はあと88分」という不気味な電話が…というお話。

前に借りたのにそのまま返しちゃった『ある子供』を今度こそはともう一回借りて、ついでになんか適当に観られそうなやつをと思ってこれも借りました。アル・パチーノが出てるし。

オチとかぜんぜん興味をもてないぐらい、つまらなかったです。
初老のパチーノ教授はモテモテで、周りには何人も美女がいるんですが、その一人ひとりについてコイツ怪しい、いやアイツも怪しいみたいな思わせぶりな撮り方をしています。それがたいへんコザカしくてウザい。もう途中から、いや開始当初からそれが鼻についちゃって、パチーノ教授の辛い過去が明かされても、びっくりする(と制作側が想定した)真犯人が分かっても、「あー、そーすかー」ぐらいで、全然のめりこめない。肝心の話も、無理がありすぎでしょーっていう感じ。スポンジ状の脳をもつオレが洋画サスペンスを観たときに発生する「カタカナ人名問題」が今回もまた浮上したわけですけど、この映画はそんなこと気にならないぐらいストーリーがどうでもいい感じなので大丈夫(?)です。

それと、DVDジャケを見てもらっても分かると思うんですけど、こんな精神科医いねえよっつうぐらいパチーノがワイルド。イントゥ・ザ・ワイルド。拳銃なんか持った日にゃあ、どこからどう見ても殺人課のデカです。もうちょっと線の細い役者のほうが良かったんじゃないかしら。あ、でも、そうするとオレみたいにパチーノ目当てで観る人がいなくなるのか。なるほど、よく出来てるなぁ。

あと、『ある子供』は結局また観れなかった…。なんでおまけで借りたやつを先に観るんだこの馬鹿ッ。

こっから映画本編とはあんまり関係ない話いきます。

死刑囚役のニール・マクドノーっていう役者さんは、主役はやらないけどいろんな映画でちょこちょこ見かける人です。いわゆるバイ・プレイヤーというやつ?
ほんで、オレが彼を見たときにまっさきに思い浮かべるのは、テレビドラマシリーズ『バンド・オブ・ブラザーズ』の第7話なんです。知らない人に説明しますと、このドラマは第2次大戦のヨーロッパ戦線を舞台にした戦争物で、同じ連隊が各地を転戦していく様を追っていくという感じで、迫力もあるしドラマ性も高いんで、かなり見応えがあります。乱暴な言い方をすると、『プライベート・ライアン』が連ドラになった、みたいな。で、全10話ある中でも特に自分が好きなのが、このニール・マクドノーが重要な役どころを演じる第7話というわけです。『プライベート・ライアン』の、あのゴリゴリな感じが好きな人には、このドラマはオススメです。

ニール・マクドノー以外にも『88ミニッツ』にはオレが気になる役者がけっこう出てた。デボラ・カーラ・アンガーとか、ウィリアム・フォーサイスとか。
そう、そうなんです。自称映画好きの特徴のひとつとして、一般にはあんまり知られていないような役者名を覚えてはその名前を無駄にひけらかし、ひとり悦に入るという行為があげられます。要注意だぜ。