空気人形 [DVD]

2009年日本/監督:是枝裕和
  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD
しがない中年男(板尾創路)が性欲処理のために買ったダッチワイフの「のぞみ(ペ・ドゥナ)」。ゴム人形であるはずの彼女はいつしか心をもち、こっそりと街へ出る。すると、そこでは誰もが虚無感を抱えながら生きていた。のぞみはレンタルビデオ店で働く青年(ARATA)に恋をするが…というお話。

同じ是枝監督の『歩いても歩いても』が素晴らしかった(過去ログ宣伝厨)のと、DVDジャケットの女の子(=主役のペ・ドゥナ)が可愛かったのとで、そこそこ期待して借りてみた。ら、なかなかに退屈な映画だった。開始30分後ぐらいから「もしやこれは…」という予感が芽生えて、1時間過ぎるあたりでリモコンの停止ボタンと早送りボタンの間で、オレの親指がそわそわし始める。結局ぜんぶ観たけれど、やっぱり途中で止めても良かったなという感想。

なんかね、「この世知辛い都会で、みんな痛みを抱えて生きているの…」みたいな感傷的な雰囲気が充満し過ぎてて、それがどうにも気持ち悪かった。『歩いても~』だってじゅうぶん感傷的だったじゃんかよてめえと言われれば確かにそうなんだけど、あれとはなんか違ったんよね。

ファンタジーっぽさというか、非現実的な描写がちょいちょい挟まれるのは気にならなかった。そもそもダッチワイフ(っていま言わないんだっけ?)が動き出すっていう話だし。あと、ビデオ屋で寺島進が「刑事の汚職もので面白いのない?」って尋ねて、店長役の岩松了があれこれオススメするとこが面白かったかも。