『アフタースクール』
2008年日本/監督:内田けんじ
http://www.after-school.jp/index.html

中学校教師の神野(大泉洋)は、失踪した同級生・木村(堺雅人)を探す探偵(佐々木蔵之介)に協力するが、次第に木村の意外な一面を知ることとなり…というお話。

世間様から相当遅れてオレが絶賛した『運命じゃない人』の内田けんじ監督の新作で、宣伝もバンバンやってるから観た人も多いかもしれないですね。未見の人のため、前作と同様なるべく事前知識は仕入れないほうが良かろうという上から目線の配慮により、あらすじは控えめにしました。何も知らないで観るっていう点、ここホント大事。

やっぱり面白かったです。ほんとにびっくりするようなヒネリが効かせてあって、もしこれがディーヴィーディーだったら何度でも戻って観直したくなるだろうな。例によってオレの脳味噌(容量控えめ)では観終わってもモヤモヤしていて一緒に観てた人に解説をお願いしたっていう箇所もあるにはあったけど、普通の健康な人なら大丈夫なはずで、すっきりすること間違いなしです。後味も爽やか。

あと、日本人が作った映画を日本人が観てるからこそ分かる笑いというか、例のクスクス感もたっぷりあって良かったです。普段、映画館ではこてこてのハリウッド大作ばっかりにお金払ってる非国民ですけど、たまに邦画を観てこういうコメディーセンスに出会うとやっぱり楽しい。

でも…でも…。
正直に言わせてもらうならば、個人的には『運命じゃない人』のほうが好きだなあ。中盤以降ちょっとカッタルくなってしまったっていうのと、少し説教臭かった。もうちょっとだけさらっと流してもらえたら最高です。
『運命~』は、失礼ながらほとんどが無名の俳優さんだったせいで新鮮な気分で楽しめたのに対して、こっちは有名キャストっていうのも若干影響してるかもしれない、とは一緒に行ったえいが博士のするどい洞察です。うむ、確かに。
あ、でもそこらへんの普通の映画なんかよりよっぽど面白いし、前作との比較も多分に個人的な好みによるものかと思われます。念のため。

はー。こんだけ面白い映画撮っても、泡沫ブロガーごときにネットの片隅でまだネチネチ文句つけられるとは、監督業ってまじ大変。