ある子供 [DVD]

2005年ベルギー、フランス/監督:ジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
まだ若く、あどけなさすら残るブリュノ(ジェレミー・レニエ)とソニア(デボラ・フランンソワ)のカップル。二人の間に男の子が生まれるが、ブリュノは父親の自覚もなく、前から続けている盗みを繰り返す。そんなとき、「子供を買い取る」という裏社会からの申し出をブリュノは易々と受けてしまい、ためらいもなく息子を売ってしまう。事実を聞いて卒倒するソニアを見て、ブリュノは子供を取り戻そうとするが…というお話。

今までなんどビデオ屋で借りては観ないで返したことでありましょうか。このたび、ようやっと鑑賞いたしました。単純に、借りたはいいものの観る時間が無かったっていうときもあったし、なんとなく重たそうなその内容に気が引けて観なかったっていうときもありました。えーと、おまえの事情とかどうでもいい。

ほんで、感想です。権威にめっぽう弱いニホンジンとしては、カンヌで大賞を獲った本作なんかはもろ手をあげて絶賛しなければならないのですが、オレはイマイチでした。『ミツバチのささやき』の感想を書いたときと同じく、世間的に評価の高い作品に「イマイチ」とか言う場合は映画の怖い人たちからの反発にビビりまくっているので、震えながらキーボード打ってます。

確かにザラザラしたドキュメンタリーちっくな撮り方とか説明を排したお話の進め方とかは、それなりにスタイルがあって良いなと思いました。それにストーリーがトントン転がって、観ていて飽きはしない。けれど、この映画の核であろう、主人公が○○○で□□□になる感動の(?)ラストについて、自分は「そんなにもったいぶるほどのことかなー」って思っちゃった(伏せ字はいちおうネタバレ防止のためで、字数など適当です)。たぶん「人間性」とか「情愛」とか、そういう普遍的なことをテーマに据えてるように感じられるんですけど、かんじんの主人公に感情移入できなくて、それまでずっと抑えて抑えてさぁどうだ! って具合にカタルシスを迎える人が多いのかもしれないそのシーンでも「おまえ今さらかい」ってなっちゃった。あ、こういう書き方だと、この映画観てない人にはよく分からないスね。すいません。

うーん、説明するのが難しいな。やっぱりいつもアメリカの下らない映画が主食の自分には、レベルが高過ぎたっていうこともあったのかもしれない。より芸術性の高い映画を普段から好む人なら、もっと深く感動できるのかも。でも、同じようなテーマの映画でこれよりズシーンと来たやつもあったと思うんだけどなぁ。「じゃあそれって何て映画?」とか言われても当然答えられませんよ、ええ。