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あんた、敬語のなんなのさ。 [読んだ本 / 好きな文章]


ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)

ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 新書

ブックオフ100円コーナーで何となく購入(そのくせブログではアマゾンアソシエってやがる!)。

筆者も最初に断っていますが、この本が主題としているのはハウツー本的な実際の敬語の使い方ではありません。そもそも敬語とは何なのかを歴史的背景を中心に考えて、「敬語が乱れている」と言われる現代で、どのように敬語をとらえるべきか、どう付き合っていくべきかを卑近な例を交えて分かりやすく論じています。

子ども向けの本なのでちょっと物足りない面もあるけど、その分サクサク読めました。「敬語とは本来的に昔の言葉なので、現代でそのまま使うとおかしくなるのは当たり前」という視点はちょっと新鮮。「昔は身分差を具現化するための方法だった敬語が、今では他人との距離を表すために有効だ」というのには納得です。

 敬語というのは、「相手と自分とのあいだには距離がある」ということを前提として使われる言葉です。「尊敬の対象かもしれないけど、この人とのあいだの距離を縮めたいな」と思ったら、敬語は、矛盾したものになってしまいます。「ねぇ、先生」という呼びかけが、その典型です。 「ねぇ、先生」と呼びかける生徒は、べつに先生をバカにしているわけではありません。ただ、「先生」と呼ばなければならないような相手との距離を、縮めたがっているだけなのです。(本書24ページより)

全体に流れているのは、「エライ人には敬語を使え!」というような、伝統的な考え方へのやや批判的なスタンスです。それが自分には小気味良かった。エンダァ、100円コーナーばんざい。

タグ:敬語 橋本治
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