【木工のじかん / ラジオ台編】 --- Act.3 脚部を製作するの巻 --- [DIY / インテリア]
<これまでのあらすじ>
少年の近所に住んでいる爺さんは、自称"科学者の変わり者。ある日彼がタイムマシンを作ったという。スポーツカーにしか見えないそれに少年が半信半疑で乗り込みスイッチを押すと、なんと両親の若い頃へとタイムスリップ! そこで若かりし"父親"に少年が会うと、内気な彼はラジオ台を作っているところだった。「天板と底板、それらを挟む側板の加工までは終わったよ。これから脚を作りたいんだけど、同じクラスの乱暴者が邪魔をするんだ」という。少年はその製作を手伝うこととなるが、果たして…。
え? おまえ、まだこれ作ってたの?
ぐらい間隔があいてますけど、しれっと始めます。完全にサボってました。今回はラジオ台の下にくっつく脚を作るんだ。ちなみに、実際に加工した順番ないし写真を撮った順番は例によってバラバラで、記事通りではありません。
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【脚の加工】作ろうとしているブツには4本の脚を付けるので、その加工をします。そもそも脚が必要かどうかについては、やっぱり脚がある(つまり床が見えるようにしておく)と、家具のモッサリ感というかベッタリ感がだいぶ軽減されると思うので。ただ、ここらへんは好みの問題かな。 一本の角材から4本の短い材を切り出したのがこちら。これをそのまま脚としても良いのだけど、今回はテーパードにチャレンジ。つまり、よく市販の家具で見かけるように、下へ向かっていくにつれて細くなるように削るんです。こうすることで、グッと見栄えが違ってくる! …ハズ。 まずは普通のノコギリでギコギコと。脚とする角材のサイズが55(ミリ)×35×35と小さいもので、クランプで押さえるのに苦労しました。 |
てめえの腕が足りなすぎるという理由も多いにあって、ノコギリではかなり大雑把にしか切れない。だもんで、そのあとサンドペーパーで希望のラインに沿うようにひたすら削ります。こういう場合はカンナやノミを使うほうが一般的かもしれないけど、いまいち自信がなくて紙ヤスリを選択。 |
さらに、扉の木口に溝を彫り込んだとき(Act.2「各板を加工するの巻」を参照)と同様に、脚に合うように「ウマ」(固定するための補助材)を作ってがっちり挟む。そんで、脚の上部からT字の彫り込みを入れます。なんのためかっていうと、幕板(まくいた)を通すためです。 |
「幕板」なんて聞き慣れないかもしれませんけど、みなさん必ずや見たことがあるやつで、テーブルなりキャビネットなり、家具の脚と脚を横につないでいる細長い板のことです。今回、オレもいっちょまえに幕板を組み込んでみようという企み。ただ、脚部を組み終えてこの記事を書いている今考えるに、この選択こそ製作がちょう長引いた理由であります。 ともあれ、幕板の幅(20ミリ×12ミリ)に合わせて4本の脚にそれぞれ溝を彫ります。 |
まずはノコギリで大まかな切り込みを2本入れたあと、ノミを使って、コンコン。コンコン。コンコン…。 |
いちおうこんな感じになったんですけど、切り口が汚いったらありゃしない。ヤスリで一生懸命削りました。ただ、この内側はどうせ幕板の下敷きになるところで見えなくなるのだから、サイズさえ正確であれば構わないのです。問題は次です。 |
左の写真で分かりますでしょうか。4本とも、一生懸命テーパードさせた部分と、いま溝を彫り込んだ部分との「際(きわ)」の部分がものの見事にえぐれてます! ボコっと穴が開いていたりする! なんじゃこりゃあ! これはとんでもない失敗です。脚となる角材を先に斜めに切ってしまったのが原因なのでしょうか? それともノミの使い方なのでしょうか? ド素人DIY野郎には正確なところが分からないんですが、とにかく4本ともえぐれてしまっているということは、偶然ではなく何かしら理由があるに違いない。これは巨大キャビネット製作(ほんとにやんの?)のときまでの、プライオリティの高いアジェンダである。無理して横文字を使いたがる人のマネ。 |
【幕板の加工・脚部の組付け】上記の脚と同じ材の板(エゾ松材)から、サイズ違いで長いものと短いものを2本ずつ切り出します。これが4本の脚の間を縦と横につなぐ幕板となる予定。 その長い方は、単純に装飾的な意味で両端を斜めにカットし、それと同時に、脚の中を通る部分に構造的な目的で約10ミリ四方の切り込みを入れます。そんで、短い方には両端部分に10ミリ四方の切り欠きをして、幕板どうしが4本の脚の内部で組み合わさるようにしました。 |
左の写真はもう接合する場面のものなんですけど、どのように幕板どうしが組み合わさるか、これで分かるかしらん。これだけじゃ理解しづらいスよね…。 とにかく、最初にこの作りを自分で思いついたときには「やっべオレ天才」と思ってましたが、後で考えると、否、作っている最中から、技術を伴わない口だけクソ野郎が無駄に複雑な(かつ適当な)デザインをするとどんな目に会うかを嫌というほど味わえたよ。 |
脚へのT字の溝と、幕板への上記の加工が終わったら、あとはボンドでくっつけるだけー…のハズだったのに、仮組みの段階でガッタガタ。まず、脚に幕板がきっちり収まらない! 計算上ではぴったりのはずなのに、微妙にキツくて奥まで入らなかったり、逆に緩かったり。 |
そのほとんどが1ミリ以下の誤差で、ヤスリで脚の溝や幕板の切り欠きを削っては、ただひたすらに調整しました。ここにきてつくづく痛感するのは、ノミやノコギリで狙ったライン通りの角度・深さにカットするのは本当に難しいなあってこと。練習あるのみ。 |
ぶへー。予想よりは遥かに隙間だらけなんですけど、なんとか我慢できるレベルまでは調整を終えて、溝にボンドをもりもりと注ぎこんでいざ接着です(3枚上の写真を参照)。 |
新興宗教の祭壇? ついにペットボトル教の開闢(かいびゃく)でございますか? ボンドでくっつけた脚部をひっくり返して、重し代わりのペットボトルを載せて圧着した…つもりだったけど、次の日見てみたら、一部、ちょっとだけ傾いてくっついてた。やっぱりクランプを使うべきだったのか。 |
ともあれ、もうどうしょうもないんで気にせずに(え!?)、あとは脚に溝を入れたときにやっちまった大失敗をなるべく目立たないように補修します。ノミでえぐってしまった部分を木くずによって埋めようとする、史上まれにみる地味な作業。 |
丸一日、完全に乾くのを待ってからヤスリでガリガリと。まだ痕跡は目立つけれども、もーいい。ハロー、マイ・フレンド。「妥協」の二文字は、僕のかけがえのない親友さ。 |
【脚部と底板との接合】すったもんだで組み立てた脚部を、ラジオ台本体のボトム部分であるところの底板とくっつけます。え? 本体を組み立てる前に付けちゃうの? ここはちょっと悩みましたけど、背板と底板をくっつけた後だと圧着がやりづらいかなという理由で先に。まあ、後でも先でもたぶん手間は大して変わらない。 |
まずは、あらかじめ幕板には開けておいたダボ穴に合わせて底板にもダボ穴を。位置合わせには「ダボマーカー」(次回Act.4で詳述)を使いました。 数は計6ヶ所。この重さ、長さだと必要なダボの数は…とかいうことではなく、まったくの適当です。だってそういうの知らないもの。 |
やっぱりこれもボンドをもりもりと塗って圧着します。 |
なんか大変なことになってるけど、クランプでギリギリと締め上げます。ん?なんだ、その物欲しそうな顔は。もっとキツくして欲しいのか?だったら声に出してお願いするんだ。大きな声で、ご主人様と言え!おまえ、もう白い汁(=木工ボンド)を隙間からお漏らししてるじゃあないか。まったくいやらしいやつだ。 |
そんなこんなで、ようやっとラジオ台のボトム部分が出来上がり。夏の間ずーっとサボっていたせいで、実に長かった。次は本体を組み立てるべさ。えんやこーら、えんやこーら。 |
<過去ログ>
【木工のじかん / ラジオ台編】 --- Act.2 各板を加工するの巻 ---
【木工のじかん / ラジオ台編】 --- Act.1 資材集めの巻 ---
やるなぁ。
とっても道具が揃ってない?
実は、自分も自分でサーフボードを作ろうと思って(だいぶ先だろうけど)「手軽にできる日曜大工入門(ブックオフで100円)」を買ったりしてるよ。なんか基本が載ってる。
ボードは木で作る予定。
また、全国インテリアショップガイドというのも買ったよ。全然、部屋のセンスないからな。これも100円。
http://ameblo.jp/protoplastico/
ちなみにこんな風にボード作ってる人もいるよ。
by ダ (2010-10-23 00:14)
>とっても道具が揃ってない?
いやいや、まだまだ足りないものばっかりでごわす。
必要に応じてちょこちょこと買い足してはいるんだけどね。
サーフボードって自分で作れるんだ! 知らなかった。
自分で作った板で波乗りしたら最高だろうね。DIY仲間として応援してます。エンダァ、もし必要があれば喜んで手伝うよ。
それにしても難しそうだなあ…。
直線基調のヘボ作品で自分はこんだけ苦労してるんで、微妙なカーブが必要であろうサーフボードはオレの想像を絶してます。
by ビキ (2010-10-23 02:28)