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シネパトスが暗過ぎたのはもしかして映画の内容に合わせたとか? んなこたぁない [映画やドラマ (アメリカ以外のやつ)]

『クロッシング』
2008年韓国/監督:キム・テギュン
http://www.crossing-movie.jp/

金日成体制下の北朝鮮。かつて有名なサッカー選手だったキム・ヨンス(チャ・インピョ)も、今では炭鉱で働く労働者に過ぎず、妻と一人息子との生活は困窮を極めていた。日々の食料すらままならない中、妻は結核にかかってしまう。その薬を手に入れようと、ヨンスは中国国境から命がけの脱北を決意するが…というお話。

RIMG1409.JPG昨今の緊迫した朝鮮半島情勢のもと、中国・アメリカという二大国の思惑と、韓国・日本それぞれが抱える現実的な危機感とがない交ぜになる政治状況を目の当たりにして、国際政治について日々悩み続けるオレは居ても立ってもいられずにこの映画を観てきました。
というのはもちろんウソで、タダ券のお誘いを受けて行ってきただけ。この映画の公開自体知らなかったよごめんなさい。場所は、お銀座のシネパトスにて。どうでもいいけど、この映画館は予告流しているときから場内がいくらなんでも暗すぎる。おしっこから戻ったとき、座席がまったく見えなくてちょう焦ったよ。

上でふざけたこと書いてる自分の北朝鮮に関する知識としては、普通にニュースを見たり新聞で読んだりする程度なので、ごく一般的なレベルだと思う。だから、この映画で描かれている北朝鮮の内情がどの程度正確なのかは確証がもてないです。んで、仮にこの映画の通りだとすれば、想像以上にひどい。

庶民の暮らしはまるで戦時中の日本みたいにオールウェイズ物資不足、体制にちょっとでも逆らえば恐怖の収容所行き。その収容所では「人権」なんていう言葉が冗談に思えるような、女・子供容赦なしの残虐ぶり。それらは上述のようにメディアを通じてちらっと見聞きはしていたものの、「あの国だからしょうがないよね~」という、率直に言えば完全に他人事であって、またそこには北朝鮮政権と、それに従うしかない一般国民とを無意識のうちに同一視・一体視してしまう危険性をもはらんでいるのですッ!!(誰?)

その一方、こんな風にして映像として見せられれば、やっぱりニュースなんかよりは訴求力が格段にパワーアップしていて、観客をして「何とかならんものか」と考えさせる効果は絶大だと思った。ただ、それが「作品」である限り、つうか自分ではない誰かが作ったものである限り、そこには何らかの「意図」があるハズで、そのメッセージぜんぶをすんなり受け取る訳にはいかない。一歩引いて、自分の中でガジガジと咀嚼(そしゃく)する作業もまた忘れてはならないのであります(「メディアには振り回されない冷静なオレ」アピール)。

ところで、この『クロッシング』の映画としての出来ですけども、テンポ良く進むので観ていてダレないです。ただ、いかにも韓国映画っぽいというか、やや大げさな演出が多くて、個人的にはちょびっと恥ずかしい、あるいは少し白けてしまったという印象。人道的なテーマだから、映画の出来うんぬんなんて言うと怒られるかもしれないけどさ。もうちょっとザラザラした感じ(って何だよ!)で、直接的な号泣シーンを控えめにして行間で泣かせるようなタイプでお願いします。嫌です。
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