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戸田なっちゃん風に言うなら『ドクター・ジバゴ』 [映画やドラマ (アメリカ以外のやつ)]


ドクトル・ジバゴ アニバーサリーエディション [DVD]

ドクトル・ジバゴ アニバーサリーエディション [DVD]

1965年アメリカ、イタリア/監督:デヴィッド・リーン
  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD
20世紀初頭、激動のロシア。医学生ジバゴ(オマー・シャリフ)は、17歳の美しいラーラ(ジュリー・クリスティ)と運命的な出会いを果たす。時は流れ、二人はそれぞれに家庭をもち、凄惨な戦場にて医師と看護婦という立場で再会するも、第一次大戦やロシア革命が立て続けに起きる時代の荒波に翻弄されて…というお話。

およそ映画に関して知らぬことなどないというおまえらにおかれましては、去年からやっている「午前10時の映画祭」は当然チェック済みですよね。各地の特定の映画館で、投票により決まった過去の名作100本を一週間ごとに1本ずつ午前10時から上映するという企画です。オレは去年の中ごろ知ったんだけど、観たい映画が何本もあったのに早起きできず、不覚にも今回の『ドクトル・ジバゴ』で祭りに初参加と相成ったわけです。

RIMG3866.JPGそもそも、この映画が気になったきっかけ。それは、アクションラブバイオレンス超絶名画『トゥルー・ロマンス』において、主人公クラレンスが麻薬を指す(彼独自の)隠語として『ドクトル・ジバゴ』を挙げていたからに他ならぬ。気になってから何年経ってんだよ、おまえ…。

とまれ、いやー、大作感ただよう作品でした。大河ドラマっつうんですか、時代の大きなうねりの中で男女の悲哀に満ちた人生を壮大なスケールで描いてくれちゃってて、3時間20分という上映時間にオレのケツは悲鳴をあげていました(しかも、みんながトイレに殺到する途中の休憩時間がたった3分しかなくて、それはちょっと短すぎだよTOHOシネマズ府中!)が、いかにも昔の映画っぽい作りがグー。雰囲気として『風とともに去りぬ』をちょっと思い出した。正直言うと、この映画を自分んちの小さいテレビで観てたら、たぶん「長い映画だなあ」ぐらいしか思わなかっただろうけど、やっぱり映画館ならではの楽しさで飽きなかった。あと、作品の冒頭で映像が流れないままに5分ぐらい延々とオープニング曲(?)が流れたのには面食らった。

上記の下手くそあらすじには盛り込めませんでしたが、ストーリーはもうちょっと複雑です。親を亡くしたものの裕福な家庭に引き取られた主人公と、理想高き貧乏学生の婚約者がいるのに金持ちのおっさんに目をつけられる若き美人、二人それぞれの境遇が描かれるのが前半。後半は、お互いに家庭をもったジバゴとラーラが時代の変革にもまれながら惹かれあい、けれど運命は…みたいな。個人のささやかな幸せと、時代の大きなうねり、あるいは雄大なロシアの自然とを対比させながら描いてた。気がする。

もしこれを観るなら、おおざっぱでいいから20世紀初頭にロシアからソビエト連邦が成立した経緯をおさらいしとくといいかも。「ボリシェヴィキ」とか「白衛軍・赤衛軍」とか、ふだん西友では見かけないような単語が出てきます。「ぼく/わたし、高校んとき世界史とらなかったから」を免罪符代わりに、しれっとだんまり決め込むオレやキミのため、以下、ロシア革命のまとめコーナーです。
【19世紀末】
やべー、このまま農業国じゃ置いてかれちゃう! とばかりに西欧の真似っこして資本主義をすすめる→貧富の差や社会問題が激化→庶民がブースカ言い始める

【1905年(日露戦争の最中)】
第一次ロシア革命が起こる→でも皇帝はまだ居すわる→国民の不満をそらすために、領土拡大をたくらむように

【1914年】
第一次世界大戦勃発、ロシアはドイツと交戦→でもなかなか終わらない→物資不足で民衆いよいよブチ切れそう

【1917年3月】
首都で労働者の大規模ストライキが発生→政府が辞職・ついに皇帝が退位、臨時政府が樹立される。でも臨時政府は戦争を続けたために、不満なくならず
【同年11月】
レーニンが指導するボリシェヴィキ(=共産党の前身)が武装蜂起して臨時政府を打倒、ソヴィエト政権を樹立→以後、独裁体制になり、個人の土地や企業などを国有化。ジバゴの家もとられちゃう。3月と11月それぞれの革命をまとめて「第二次ロシア革命」と言うらしい。
以上、ビキガミ彰の解説でした。

RIMG3862.JPGところで、午前10時からだし、いくら有名っつったって何十年も前の映画だし、どうせガラガラなんだろうなーとか思ってたらアータ! そんなに狭くもないスクリーンで、客席は(最前列3列の離島みたいなとこは除いて)8~9割方埋まっていたよ! この企画、人気あるんだね。

オレも左サイドを同年代ぐらいのお姉さんに、右サイドを熟年夫婦にがっちりガードされつつ、やっぱりこの映画ってお父さんお母さん世代にとっての「青春の一本」みたいな作品で、ここにいるお嬢さんたち(©みの)は久しぶりにその感動を味わいに来たのだなあとオレがひとり感慨にふけっていると、終了後、別のお嬢さん(同上)が通路を歩きながら「わたし初めて観たけどあんまり面白くなかったわねー。ギャハハ」だと…。クッ、オレの感慨を返せ。
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