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志麻かわいいよ志麻 [映画やドラマ (アメリカ以外のやつ)]


鬼畜

鬼畜

1977年日本/監督:野村芳太郎
  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD
街で小さな印刷所を営む宗吉(緒形拳)とお梅(岩下志麻)夫婦。ある夏の日、彼らのもとへ宗吉の愛人(小川真由美)が彼との間にできた3人の子どもを連れてやってくる。激しい口論のあげく、愛人は子どもたちをそのまま置いていき行方不明に。印刷所の経営が苦しくなる中で宗吉は仕方なく子どもたちを引き取るが、「本当に自分の子なのか」という疑念や、彼らに辛くあたる妻の態度から、ついには子どもたちを一人ずつ…というお話。

全国で放送されているのかちょっと分からないんですが、毎週木曜日の深夜にフジテレビで『映画の達人』という番組がやっています。男女のMCが毎回2,3名のゲストを迎えて、ややマニアックなテーマで映画について語るという内容で、残念ながらたいていつまらないです。それはたぶん司会の人たちが進行役というのに慣れていない一方でゲストがかなり突っ込んだ話をするものだから、全体的にかみ合ってない感じがプンプンするせい。

ただ、こないだの「ホラー映画」というテーマの回は結構面白かった。で、そのときのゲストの一人が、今までに観た怖い映画って何ですかみたいな質問に対して、「ホラーっていうのとはちょっと違うんですけど、子どものときに観た『鬼畜』という映画です」と言ってた。それを聞いて、高校のとき同じクラスの女の子が「『鬼畜』っていう映画が超怖かった」って言ってたのを思い出したんです。当時、結構かわいかった彼女のルックスと「鬼畜」という言葉のもつ陰惨な響きとのギャップに、オレの中の何かがゾクゾクと反応したのは言うまでもありません。そう、昔から変態です。よろしく。そんなわけでこの映画を借りてみました。

いったいどんだけひどい話なんだろうとびくびくしながら観たわけですけど、歳くってるおかげでしょうか、泣ける親子の愛情物じゃないですか!もっと暗くてジメジメした撮り方をしているのかと思いきや、さくさくテンポよく進むし、なにより面白い。

確かに緒形拳がやることとか、岩下志麻の鬼母っぷりはひどいです。いたずらをしたお仕置きに、赤ん坊の口にご飯を無理やり詰め込む(!)とか。でも、なんだろう、そのむごさよりもそこに至る経緯とか、大人どうしの悲しい事情とか、愛憎ないまぜになったどうしようもない感情にオレとしては心を動かされます。特に緒形拳演じる主人公は優柔不断な弱い人間なのね。で、自分の子どもを愛する優しい人でもある。そういう人が自分の子どもに手をかけるという決断を下せるのか…っていうのがこの映画のクライマックスなんですが、もし子どものときにこれを観ていたら、『映画の達人』のゲストと同じく「怖い映画」になってたと思う。けど今だと、うーん、「悲しい映画」でしょうか。にっちもさっちもいかない現実の中で、愛する子どもを殺さなければいけないような不条理。もちろん悪いのは主人公だけど。そんなもんで、宗吉と長男が二人で旅に出た先の旅館で、遊びに夢中でちっとも聞いてない息子に向かって父親が自分の辛い身の上を泣きながら語るシーンでオレも号泣しました。

shima.jpgあと、岩下志麻の綺麗さに驚いた。どうしても「極妻」のイメージがこびりついているし、この映画のときはたぶん既に30代半ばなんでそんなに若いっていうわけでもないんですが、やっぱり看板女優はさすがです。それと、もう30年も前の映画なのに銀行員役で出てきた大滝秀治が今のまんまなのが超不思議。昔から老けてたのか、今が若いのか…。
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