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アダルト専用 (いやらしい意味でなく) [読んだ本 / 好きな文章]


錦繍 (新潮文庫)

錦繍 (新潮文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/05
  • メディア: 文庫

人から勧められて読んでみた一冊。したら、なかなか面白かったです。はじめに、オレのテル歴をちょっと書いてもいいですか? ああ、勝手にしろよ馬鹿野郎ですよね。すいません。

あれは確か大学受験のための模試でした。国語の問題文として出された小説を、「ヘンサチ上げなきゃッ! ヘンサチ上げなきゃッ! グギギギー」と18歳の受験マシーンすなわちオレが血まなこになって読み進めるとアラいやだ、このお話ったらなんだか面白い。文末には、"出典・宮本輝『ホット・コーラ』"とありました。もちろんその日の模試もさんたんたる有り様ではありました(ついでに言うとその数ヶ月後の受験本番でも第一志望に落ちた\(^o^)/)が、その「ホット・コーラ」なる短編が収録されている文庫本(『真夏の犬』)を模試の帰りがけに買って、やっぱりそれが気に入ったから、そこから1~2年間ぐらいに渡って代表作っぽいものをちょびちょび読んでました。『青が散る』とか『幻の光』とか『春の夢』(土田世紀が描いた漫画版も良いネ!)とか…。で、この『錦繍』にて、久方ぶりにテルることとなったわけです。ふー、すげえどうでもいい。

この『錦繍』は書簡形式というのでしょうか、かつて夫婦だった男女が思いも掛けない場所で偶然再会し、離婚してからのいきさつ、あるいは結婚している最中の真実を手紙のやりとりの中で明らかにしていく…というスタイル。もと夫も、もと妻も、どちらもおよそハッピーとは言い難い現実を抱えていながら、かつての伴侶に手紙を送り、それを読み、返事を書くことによって結果的に自分の実情を見つめ直すことになる。その過程がテル一流のきめ細やかさ・爽やかさをもってして描かれていて、実にオトナの本でした。ほろ苦なんだけども、なにより読後感がすがすがしくて良いッス。
タグ:錦繍 宮本輝
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