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モア・ザン・ヒューマン [読んだ本 / 好きな文章]


人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)

人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)

  • 作者: シオドア・スタージョン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1978/10
  • メディア: 文庫

「電車とかバスの中で他人がカバーをかけて読んでいる本が何なのか気になる」という、キモすぎる自分の粘着体質をこないだ告白しましたけど、さらに言うなら、ある作品の中で出てくる本っちゅうのも気になる。例えば、確か松本大洋の漫画『花男』の中で、主人公の少年が中勘助の『銀の匙』を読んでいるっていうコマがあって、それをきっかけに『銀の匙』を読んでみたことがありました(ただし途中で挫折(いつかもう一回読んでみるかも))。

DSC_0088.JPGこの『人間以上』もそうで、昔すごく流行った『ドラゴンヘッド』という漫画の中で、登場人物の一人(確か脱走してきた自衛隊員)がこの本を読んでいるというコマを見たのがきっかけで、その漫画を愛読していた当時に買って読んでみました。けど、これまたやっぱりわずか数ページで放り出したのを覚えています。文体にどうしても馴染めなくて。

ただ、それを売り飛ばすことは無しに部屋のダンボールに監禁&放置プレイ、長いあいだ気になる存在ではありました。だってこの表紙だよ?アマゾン様のアフィ画像によると、いま売られている版はアニメチックな絵に替わっているみたいだけど、旧版のほう、ヤバすぎでしょ。古本として売ったら確実に呪われる。

ここで裏表紙からあらすじを飲尿、ちがう、引用。
「悪戯好きの黒人の双生児、生意気な少女、発育不全の赤ん坊、そして言葉さえ知らぬ白痴の青年。かれらは人々から厄介者として扱われていた。しかし、かれらはコンピューター顔負けの頭脳、テレパシー、テレキネシス、テレポーテーションなどの能力をもつ超人だったのだ!それぞれが無駄に使っていた超能力も五人が結集すれば、人類を破滅にみちびきうるほどの恐ろしき力となるのだ……。ミュータント・テーマの傑作長編」
ということです。ふー。

そして今回。『ドラゴンヘッド』を読みふけっていたあの頃から約10年の時を経て、古今東西のあらゆる書物、否、目に入る文字という文字を貪欲に吸収し、日夜研鑽を積んだビキ夫の読書力は飛躍的に向上し…てなかった! やっぱ、ちょう読みづれえ!

いちおう3部構成になっていて、その第1部の前半ぐらいを耐え忍ぶと結構面白くなってくる。続く第2部でさらに読みやすくなる。そして期待に胸をふくらませつつ第3部に突入すると、これまたチンプンカンプン! 最後は字面を目で滑らせる感じになっていて、内容を楽しむ感じではほとんどなかった。くはー、手強い。

読みにくい理由を考えると、いくつか思いつく。専門用語や独自の概念が出てくるSFっていうジャンルの特殊性とか、翻訳した本であることとか、日本語の初版は1978年らしいけど英語で書いてあるコピーライトを見ると「1953」とあってかなり古いこととか、そして、もちろんオレの読解力が低すぎることとか。とにかく文章がすんなりと頭に入ってこない。ガックンガックン進む車の助手席に乗せらているみたいで、お・お・お、このく・るまの、も・く・てきちはどこ・かね、きみ、も・うすこ・し、すむ・ーず・に、くら・っち・を・つな・い・でく・れ・たま・え。オエーッ。

ダークなSFは結構好きです。だから、好物のテーマなだけにもったいないなあ(何様!?)と思いつつ、一応最後まで目を通したよ。おんなじハヤカワの、おんなじ翻訳本の、発行がおんなじぐらい古い『1984年』を昔読んだ時は、読みづらいという印象は全くなかったように思うから、時代性とかジャンル固有の問題ではないかもね。たぶん自分のせいッス。読書力と読解力をもうちっと磨きたいですわー。どっかに研磨剤売ってないでしょうか?
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